取り寄せた2冊目。ビーナスの正体が途中からなんとなく想像できたがまあそれを含めて楽しめました。
雪煙チェイス(東野圭吾)
自宅軟禁丸1か月経ったが事態はいい方向へは向っていないので日本から慰みになりそうな文庫本を何冊か取り寄せた。今回は全部家内お気に入りの東野圭吾。家内が読み終わった端から私が読む段取りとなっている。東野圭吾はスキー場を舞台にした作品を何冊か書いてるけど結構好きなのかな。相変わらずすっきりとした文体でサクッと読めたのは良いのだけど軟禁生活の時間つぶしには物足りない感じ(笑)。スキーはもう20年くらい行ってないなあ。
それから(夏目漱石)
三部作第2作目。異常なまでに合理的であろうとするゆえに自己の本源的な欲求に気づけず苦悩し破滅していく様は主人公ほどでないにしろ自分にも内包している部分あり共感。発表当時は新聞連載だったとのことでなるほど毎日少しずつ読む方がいいのかも。通しで読むには少し冗長な気もした。
ボヘミアン・ラプソディ
ロス行機内2作目。特にクイーン好きでもなく披露宴でI was born to love youを使ったくらい。
ラストのライブエイドのシーンで機内で一人咽び泣く、咽び泣く。なんでこんなに泣けるんだろう。家族・友情・愛・孤独と死への恐怖、それらに対する主人公の答えがこのタイトル曲をステージで歌うということだったのか、みたいなことを考えてたのかな。
とにかく1作目といい気分がスカッと高揚するタイプではなく、飛行機を降りるときはとてもなんというか沈んだ気持ちでした。
雪国(川端康成)
遅まきながら初見。しかも川端康成自体が初めて。むしろその死を扱い当時問題になったという「事故のてんまつ」を先に読んでいて興味を持った感じ。そして本作をなぜかメキシコ出張時に持っていって読む。
なかなか現代小説に慣れた身からするとすっと文章が入ってこない箇所もあったのだがそれでもその描写の美しさ、繊細さ、重さ(といえばいいのかな)に圧倒された。「いい女」の聞き違いをめぐる場面ではいまいち駒子が怒る理由が分からずやむを得ず解説サイトに助けを求めることも。
とりとめなく迎えるラストはこれからもとりとめなくそれぞれが続いていくことを示唆していて、それは私が好きな東野圭吾の「手紙」で感じたラストに通じるものがあるなあと思いました。