南獄4.1

憧れの米国駐在第2章

雪国(川端康成)

 遅まきながら初見。しかも川端康成自体が初めて。むしろその死を扱い当時問題になったという「事故のてんまつ」を先に読んでいて興味を持った感じ。そして本作をなぜかメキシコ出張時に持っていって読む。

 なかなか現代小説に慣れた身からするとすっと文章が入ってこない箇所もあったのだがそれでもその描写の美しさ、繊細さ、重さ(といえばいいのかな)に圧倒された。「いい女」の聞き違いをめぐる場面ではいまいち駒子が怒る理由が分からずやむを得ず解説サイトに助けを求めることも。

 とりとめなく迎えるラストはこれからもとりとめなくそれぞれが続いていくことを示唆していて、それは私が好きな東野圭吾の「手紙」で感じたラストに通じるものがあるなあと思いました。