南獄4.1

憧れの米国駐在第2章

雑兵たちの戦場 中世の傭兵と奴隷狩り(藤木久志)

日本史の教科書には載っていない、当時の低層民たちの生々しい現実を想像することができ、私の中では新鮮な発見。なぜ天下を統一する必要があったのかを、なぜ江戸時代の平和を特筆すべきなのかを、常に奪われる側の視点から考えると、また一つの理由を想起させる。中世はいろいろロマンを掻き立てるけど、やはり生き残るだけでも壮絶な社会だったのだろうなあ。平和な時代に封じ込まれた暴力エネルギーが、朝鮮をはじめ東南アジアに、「優秀な傭兵」として輸出されていたとは、そりゃ他国の人々は警戒するわな。当の我々には、見る影もないのだけど。ま出版社が出版社だけにそういうところを強調する意図がある可能性も考えるのも楽しみのひとつかも。