南獄4.1

憧れの米国駐在第2章

保健所で

夢を見た。ふと気づくと、私は保健所で収容されている犬や猫を検分していた。
気に入ったのがいれば引き取るつもりらしい。中には5−6匹ほどいたが子犬は
見当たらず、みな生後1−2年以上といったところか。どれも目が悲しく寂しい。
そして何か醒めている。飼い主様となる可能性があるとはいえ、こいつに尻尾
を振ったところで、どうせ自分は選ばれない。それなら初めから期待しないほ
うがマシ、ということなのだろう。

そこに新入りと思われる猫が入ってきた。猫はまだ自分の状況を理解し切れて
いないのだろう。目が活きているのがその証拠だ。なんか文句あるか、と私を
一瞥。往来で自由を謳歌する猫の目だ。そして猫は近くの大型犬をも挑発する。
しかし身の丈が小学校高学年くらいはあるその犬もやはり醒めていて、猫の挑
発など相手にしない。むしろ哀れみの表情すら見せている。

私はその大型犬が気になり、何とはなしに抱き上げてみた。ぱっとみ30-40kgは
あろうかという犬が軽々と持ち上がる。20kgを大きく下回る手応えだ。おかしい
な、と釈然としないところで目が覚めた。

幼稚園児の娘が私の腹に乗っかって寝ていた。