南獄4.1

憧れの米国駐在第2章

こうして米軍基地は撤去された!フィリピンの選択(松宮敏樹)

著者である赤旗記者のバイアスがかかっているだろうことを割り引いても、駐在期間中にクラーク、スービック跡地を実際に目にした経験を持つ身としては興味深く読めた。
 撤去を求めた根拠の一つとして、フィリピンの主権を脅かす周辺国はなく、仮想敵国としている中国にその力はない、というものがあったようだけど、結果としてその見解は甘かったという事か。比国のその後の発展が遅々として進まなかったこともあるが、自力で主権を守ることは想像以上に難しい。平和主義です、集団的自衛権反対です、在日米軍反対です、という主張は、(著者の意図に反して)いかに甘い考えなのかが改めて認識させられる。