南獄4.1

憧れの米国駐在第2章

峠の群像(堺屋太一)

1982年のNHK大河ドラマの原作。なんとなく大石役の緒形拳とか覚えているんだよなぁ。著者はさすがもと通産官僚らしく、この時代の貨幣経済の説明がうまい。受験勉強のときも、こんな説明を受けてたらもっと良く理解できたのではないかと思ってしまう。そもそも大学入学前なんて経済史に興味ある人の方が少ないしな。
後世から見れば、あのときああだったこうだったと言えるが、あらゆる事象が同時進行する、ある流れの中で、歴史の当事者たちの主張・努力というのはその一要素でしかなく、全体の運や流れと呼ばれるものには抗し難い、という趣旨の記述があったような気がするが、まさにその通りなんだよな。
私たちはとにかく今ベストと思われる選択をしながら、その流れにいいように乗れるよう祈るしかないのかも。いい意味で開き直れたらいいのかな。