南獄4.1

憧れの米国駐在第2章

告白(湊かなえ)

久しぶりにその面白さに興奮しながらページをめくった作品。結局一晩で読み切ってしまった。東野圭吾ばりに無駄な伏線が一切なく、ちゃんと後ですべて回収しているところに、しっかり作り込んでいるなぁと感心。第一章で主人公である女教師が一人称で一気にストーリーを語って行くところでも、読者が状況を飲み込みやすいように工夫されている。
私も幼い子を持つ親として、登場人物の考えや台詞に胸が詰まったり耳が痛くなりながら、なんらかの問題を抱え最終的に悲劇を迎える3組の母子の在り方を堪能した(変な言い方だが)。そしてこの小説には、作者が意図してなのか分からないが、各組とも家族に対する父親の存在感がみじめなほど薄い。やはり、父親の存在感というのが、大切なのかなぁ。結局登場人物の誰も幸せになれない、というバッドエンディングではあるが、十分楽しめました。